本気で挑む王道

  金曜日の夜は前の営業所で一緒だった後輩と一緒に飲みました。今年入社した新人君をお互い連れてきましてね、いろいろ話せて楽しかったですよ。しかしそんな席で「社会人たるべきもの・・・」なんて語っているおいらはもう立派なおっさんですね。でもそんなおっさんに根気良く付き合ってくれた新人君達、ありがとう。君たちの方がよっぽど大人だね。
 こんばんは、toumaです。


 
  今日も行って参りました「リボンの騎士」!二回目になると内容も把握しているからより全体的な視点で観ることができますね。メンバーの細かい部分も意識することができますしね。とにかく初見の時よりも格段に楽しめました!そのことが何よりも嬉しかったですね。観るたびに新しい感動ができてこそ真のエンターテイメントですからね。
 ただこのまま観劇回数が増えていって出費がかさみそうで怖いですわ(涙)。


 
  本日のフランツ役はなっちでした。先日のなっち初回&生誕祭に参加されたGさんよりなっちフランツの高評価を聞いていたので期待をしていましたが、その期待に充分応える演技でありました。梨華ちゃんとの違いは個々の好みだと思いますが、梨華フランツが少年であるとしたら、なっちフランツは青年といったところでしょうか。サファイヤに対して梨華フランツが文字通り「初恋」であるとしたら、なっちフランツのそれはセカンドラブ的な要素が強い印象がありました。劇中歌の「あなたに会いたい」の中で『恋したことなどこれまでなかった』と歌うシーンがありますが、梨華フランツの場合はその言葉通りなのでしょうが、なっちフランツの場合は少し違う気がします。恋も恋愛もそれなりに経験しているが、本気で相手を好きになっていなかった若者が、初めて心の底から愛おしいと思える相手にめぐり合えた、そんな感じがtoumaにはしたんですよね。それが正解だと言うつもりは毛頭ございませんが、そんな空想を楽しめるくらい二人のフランツは異なっていましたね。初恋ゆえの情熱や真っ直ぐさは梨華ちゃんに、初めて気付いた愛おしいという感情の強さはなっちに、それぞれのフランツに思い入れを持って楽しめるのではないでしょうか。明日から参加するあややはどんなフランツになるのか、楽しみは尽きませんね。Gさんのおっしゃる通りまんまと事務所のトリプルキャストの思惑通りになりそうです(笑)。


  
  今回のミュージカルが成功した要因の一つが楽曲の良さにあるのは間違いないですね。今日は改めて歌の素晴らしさを再確認できました。テーマ曲の「Mystery of Life」から恋の歌である「あなたに会いたい」、後半で繰り返される魔女へケートの歌まで、どれもこれも素晴らしい曲ばかりです。本日は特に「あなたに会いたい」に惹かれましたね。フランツが獄中で歌い、フランツを助けたサファイヤがフランツを見送ったあとに歌うこの曲は、惹かれあう二人の強い想いが伝わってきます。同じ歌を別々に歌うことで二人が恋しあっていることを強調している演出にも感心させられました。幕間で初回限定版CDを購入してしまったことからもいかにtoumaがこの曲を気に入ってしまったかがお分かりだと思います。

 
  そしてもう一つ気が付いたのが、ほとんどの曲をフルで歌っているということです。これまでのミュージカルでは考えられないくらい歌っている時間が長いのですが、曲によっては二番まで歌っていますよね。これって実はとても重要なことなんですね。同じフレーズを繰り返すことでより深く場面に入っていけますし、演者に対しての感情移入も深まっていくんですよ。
  そして場面場面で調子を変えた同じ曲を使用する方法も取られています。「Mystery of Life」や後半での魔女へケートの歌がそれにあたるでしょうか。同じ歌を繰り返し歌うことで感情の変遷も強く伝わってきます。これって映画なんかでも使用される方法でして、名作といわれる作品は大抵この手法が取られています。この王道ともいえる手法を取ることで舞台に統一感が作られて作品の質の向上に貢献しています。
  これまでのミュージカルで足りなかったものって実はこれなんじゃないでしょうか。王道を進むのは大変なことですから、勢いや流れに任せた「モーニング娘。ありき」の演出に逃げてしまっていたのではないでしょうか。以前のミュージカルだってtoumaは決して嫌いではありませんし、それなりにいい部分はあったのですが、今回の「リボンの騎士」と比べると格段に見劣りすることは否めません。それは舞台に望む「志」の違いなのだと思います。演出の木村先生をはじめとするスタッフの方達の本気具合がステージからビンビンに伝わってくるんですよ。モーニング娘。ハロープロジェクトのメンバー達を使って本気で勝負を挑んできているんですよ。だからこそ楽曲もその演出方法も妥協がないんですよ。これまでだったら娘。達の力量やら長い舞台での疲労やらを考慮していた部分に一切妥協せずに、しっかりと歌うこと、しっかりと演技することを求めているのですよね。だから曲を二番まで充分に歌わせるし、同じ曲を調子を変えて何度も何度も歌わせるわけですよ。この方法だと出演者の力量がダイレクトに伝わってしまうからこれは演出側としては怖いですよ。でもそこに真っ直ぐに挑んでくれましたね。それが娘。達の力を一層引き出した最大の成功要因なんじゃないでしょうか。もしかしたら木村先生や宝塚のスタッフさん達は、アップの事務所はもちろんですがtouma達ファン以上に娘。達の力量を認めてくれているのかもしれませんね。だからこそ高いレベルを要求し、厳しくそれをこなす事を求めているのだと思います。娘。ありきではなく、舞台ありきで望むことで逆に娘。の良さや素晴らしさを引き出してくれましたね。ホント一人の娘。ファンとして感謝したい気持ちで一杯です。ファンですら気が付かなかった娘。の魅力を再確認させていただきました。


  
  しかし舞台はまだまだ道半ば。これからもっともっと素晴らしい舞台が披露されることでしょう。toumaも可能な限り足を運び感動を共有していきたいと思います。