リリウム最高!

 サッカーワールドカップ、盛り上がりませんねぇ(苦笑)。テレビ業界的には大誤算なんじゃないですかね。やはり勝っても負けても、得点が入らないと話題の提供が薄くなっちゃいますよね。ギリシャ戦もたとえば2対2の引き分けとかだったら、同じ引き分けでも全然違ったのでしょうね。とにかく得点できないと勝てないどころか興味を持ってもらえなくなる恐れすらありますので、ぜひ日本の攻撃陣には奮起を期待したいですね。

 
 さてさて、こちらは大盛り上がりの大盛況の内に幕を閉じました「リリウム」ですが、千秋楽は何と立ち見まで出る盛り上がりぶりでした。良いものを正しく提供すればたくさんの人達が評価してくれるという典型でしょうね。とにかくメンバー、スタッフのみなさんに心からの拍手を贈りたいです。
 toumaも大阪3公演全てを観劇することができました。完全に繭期をこじらせております。脚本も演出も曲も素晴らしかったですし、それを演じたメンバー達の熱演はどれほど賞賛されても過ぎることはないでしょう。普段から訓練されている歌とダンスの実力を如何なく発揮していましたし、それぞれが自身の役になりきっていましたね。演技というより憑依といった方がピッタリとくるぐらい、みんながそれぞれに素晴らしかったですね。この舞台は、今この時この瞬間の彼女達だから成立した一瞬の刹那の輝きなのでしょうね。だからこそこんなにも素晴らしく、そして切ないのでしょうね。とにかくモーニング娘。スマイレージハロプロ研修生も、みんなみんな最高でした。

 
 大阪公演では2回アフタートークがありましたが、あの救いようのない悲劇で幕を閉じた余韻もつかの間に、明かるいメンバー達の笑顔が見られて正直ほっとしたというか、ああ、いつものハロプロメンバーだぁって安心できましたね。やっぱりメンバー達には底抜けに明るい笑顔と元気が一番ですよね。でもだからこそこの2週間ばかりのダークな世界が活きるわけでして、ホント、この娘達は凄いですね。

 
 そして千秋楽のラストは、出演者からの挨拶は一切なく、スタンディングオベーションの万雷の拍手の中、2度メンバー達が舞台に現れてお礼をするのですが、そこで言葉は一切なく、全員が一人ずつ礼をして終わりです。そしてその後に、リリー(りほりほ)とスノー(あやちょ)が2人だけで舞台の中央に進み、そこに百合の花をそっと置いて去っていきます。鳴り止まぬ拍手が響く舞台の上に、そっと置かれた一輪の花だけが映し出されている光景の何と美しかったことか。誰かが「ハロプロ史上に残る名場面」とツイートしていましたが、まさにその通りでした。
 リリウム、最後の最後まで凄い舞台でした。


 以下はメンバー評を少しだけ。

 

 今回の舞台で一人MVPを上げろと言われれば、やはりくどぅでしょうね。ファルスの残酷さと狂気、そして悲しさを、幼さを感じさせながら演じられるのはくどぅ以外にはいなかったでしょう。ファルスが活きてこその舞台の成功であったわけですから、その功績は一番であったことは間違いないでしょうね。
 娘。ではソロパートに恵まれていませんし、春ツアーでは怪我をしたりと何かと心配な彼女でしたが、この舞台を通じて自信を取り戻してくれれば嬉しいですね。とにかくくどぅのファルスはとても魅力的でしたよ。
 
 りほりほの成長もまた素晴らしかったですね。彼女の演じたリリーという役は、実は取り立てて特徴のある役ではなくて、むしろ周りのメンバーに振り回されることの方が多い役ですし、特段彼女が何かをすることで物語が進行していくわけでもありません。一見無味無臭のつまらない役になるきらいもある中で、しっかりと存在感のある演技をしていたと思います。だからこそラストのあの絶叫が救いようのない悲劇として観客の心に響いていくんですよね。とにかく、この舞台の主役はまごうことなくリリーであり、鞘師里保でした。

 
 そして舞台を観劇した全員が賞賛したのがめいめいでしたね。彼女だけ住む世界が違うというか、本物のミュージカル女優が混じっているかのような演技でしたね。凄いとは聞いていましたが、ここまでとは驚きでした。事務所は彼女の才能を世に送り出す重大な使命を背負っていることを自覚するべきですね。

 
 あやちょの儚げな美しさはスノーという役にピッタリでしたね。とにかく美しかったです。舞台に立っているだけで絵になりました。でも一度歌いだすとその確かな実力で観客をさらに舞台の世界観に引き込んでいきます。今回で彼女にぞっこんになったヲタは多いんじゃないですかね。もう一人の主役にふさわしい活躍でした。

 
 
 そして小田さくらちゃんですよ。彼女の独唱で舞台が始まるわけですが、彼女の歌声が一気に観客を物語の世界へと誘ってくれます。もう素晴らしいの一言の歌いぶりです。そしてかななんと2人で歌う「あなたを愛した記憶」の見事さといったら。娘。が誇る歌姫の実力を存分に示してくれました。次回の舞台ではより中心的な役を任されることは間違いないでしょうね。

 
 あゆみん演じるチェリーは、昨年の「ごがくゆう」のクレアをより激しくしたような役でしたが、よく考えてみると、彼女が登場する時って、物語が転換する場面なんですよね。そういった意味では実は重要な役でして、しかも物語の序盤では明るく楽しい雰囲気作りに一役買っています。そして悲劇へと落ちていく後半には物語を加速させる役割もあって、中々に演じるのは難しかったと思います。演劇関係者が彼女を褒めるのも分かりますね。

 
 まーちゃんはやっぱりまーちゃんでした(笑)。まーちゃん演じるマーガレットが出てくると、ぱぁ〜っと舞台が明るくなるんですよね。「プリンセス・マーガレット」って完全にまーちゃんにあて書きした曲ですよね。この場面は何度観ても面白かったですし、そのどれもが同じに演じられていないまーちゃんが素晴らしすぎました(笑)。千秋楽で研究生達の役の名前をすっ飛ばすところなんて流石の一言です。こんなほっこりする場面があるからこそ、ラストの悲劇がより鮮明になるんですよね。でも見落としてはいけないのが彼女の間の素晴らしさ。くどぅ演じるファルスを観て「おっ、男!、バタ〜ンキュッ」って倒れる場面があるんですが、分かっていても観客が毎回爆笑していました。これって凄いことなんですよね。彼女の勘の良さはピカイチですから、これからも舞台で鍛えて欲しいですね。

 
 タケちゃん・リナプー・香音ちゃんの3バカトリオは毎回楽しませてくれました。タケちゃんのギャグは最高でしたし、やっぱり香音ちゃんはツッコミ担当なんだと思いましたね。普段からモノマネをしてボケたがる彼女ですが、本質はツッコミの人なのだとこの舞台が証明してくれました。ボケ担当はリナプーでしょうね。大阪2回目の、「あっ、STAP細胞、あったらいいなぁ・・」が最高でした(笑)。この3人を演じさせていて末満さんは楽しくてしょうがなかっただろうなあと思いました。

 
 かななんが男の子役をやると聞いて「大丈夫か?」と思ったハロプロファンは多かったことでしょう。しかしふたを開けてみればキャメリアは彼女こそが相応しいと誰もが思ったことでしょう。優しさ、頼りなさ、一途さが、昔の世界名作劇場のアニメに出てきそうな主人公の親友の男の子っぽいなあと思ったのはおっさんヲタならではでしょうか(苦笑)。そしてさくらちゃんと2人で歌う場面での確かな歌唱力にも驚かされました。かななん、これからも男の役が増えるかもしれませんし、また観てみたいですね。

 
 にょんさまとフクちゃんが演じる監督生、よかったですねぇ。ちょっと強気なにょんさまと凛として揺るがない気高さを持つフクちゃんが好対照でした。1回目で観劇したときに妙に気になったのがにょんさまでした。彼女の少し鼻にかかった声が耳に心地良かったんですよね。そしてフクちゃんと2人で歌う「繭期のティーチング」がお気に入りです。アルバムでも何回も聴きかえしています。2人が出てくると安心感があるんですよね。みんなのお姉さま役が心地よかったですね。

 
 研修生の3人もよかったですよ。まーちゃんの親衛隊役なのでセリフは多くないですが、やはりダンスは一級品でした。この経験がいつの日か役に立つ日がくるといいですね。


 
 少ない準備期間でこれだけの舞台を成功させたメンバーの力量と努力に改めて拍手を贈りたいですね。そして演出の末満さん、音楽の和田さんをはじめとしたスタッフのみなさんには感謝感謝であります。メンバー達の良さを最大限に引き出して最高の舞台に仕上げてくれました。本当にありがたいですね。
 そして今回は多くのハロプロファン以外の方が観劇してくださいました。TRUMPという舞台から末満作品の続編ということで興味を持ってくれたようですが、観劇された方の好意的な評価のおかげでどんどん盛り上がっていくことができました。大阪公演もあきらかにハロプロファン以外の女性と思われる方が、しかも幅広い年齢層の方がいらしていましたね。こうした方達に評価してもらえるのは嬉しいかぎりですし、ヲタとしても恥ずかしくない振る舞いをしなくてはと身を正して観劇いたしました(笑)。

 
 舞台が終わってしまったのは寂しいですが、でも今は素晴らしいものが観られて体感できた喜びと感謝で一杯であります。
 ありがとうという言葉をみんなに贈って、とりあえずの締めくくりといたします。